皆さんは、音楽を聴いて懐かしいな と感じることはありますか?
私は、よくあります。特に昔聴いていた曲や童謡や唱歌なんかは感じやすいですね。しかし今回のテーマは初めて聴く曲や、自分の文化や国と直接関係がない曲でも懐かしさを感じる現象について。
クラシック音楽や、洋楽、その他の国のポップスなんかでもよくあります。
そしてその懐かしい感情にとてつもない癒しを感じ、これはなぜだろう?と思い、少し調べてみたところ、ノスタルジアや感情的な共鳴によって心が癒される現象には、いくつかの科学的、心理的な根拠があることがわかりましたので、ご紹介したいと思います。
1. 感情と音楽の普遍的なつながり
音楽は、文化を超えて感情を伝える普遍的な力を持っています。たとえその曲が自分の国や文化に属していなくても、音楽の中にあるメロディ、リズム、ハーモニーが、私たちの感情と共鳴することがあります。特定の音や旋律が、私たちに過去の出来事や感情を思い出させることで、懐かしさを感じるのです。
特に、音楽は脳内の感情処理システムに強く作用します。音楽が脳の辺縁系(感情や記憶を司る部分)に働きかけることで、たとえ異国の音楽であっても、私たちの心に感情的な反応を引き起こし、懐かしさや安心感を感じることができます。
2. 音楽の構造が感情を引き起こす
音楽には、メロディのパターンやコード進行などの特定の構造があり、これが感情に影響を与えます。たとえば、特定の和音進行やテンポが、私たちの脳に心地よさや懐かしさを引き起こすことがあります。この反応は、過去にどのような音楽を聴いていたかに関わらず、脳の自然な反応であり、その音楽が遠い国や異なる文化のものであっても同様です。
3. 感情的な経験の共有
音楽は、個々の文化の中に根付いているとはいえ、多くの音楽が人類共通の感情や体験を反映しています。たとえば、愛、喪失、希望、喜びといった感情は、どの文化においても共通して経験されるものです。そのため、異なる国や文化の音楽であっても、そうした感情が表現されていれば、それを聴くことで共感し、懐かしさや心の安らぎを感じることができます。
4. 新しい経験が懐かしさを生む
人間は新しい経験に対しても懐かしさを感じることがあります。これは、心理学で偽のノスタルジア(false nostalgia)と呼ばれる現象です。たとえば、初めて聴いた異国の曲であっても、それが心に深く響き、強い感情や安心感をもたらすことがあります。これは、その音楽が私たちの心の奥底にある普遍的な感情や記憶に触れるからです。
5. 神経科学的な根拠
ノスタルジアを感じるとき、脳内でドーパミンが分泌され、快感やリラックスをもたらします。この反応は、自分が知らない音楽でも同様に起こることがあり、特に新しい音楽を聴く際に、その曲が特定の感情や思い出を呼び起こす場合、脳はそれを懐かしさとして認識します。これにより、心が癒される感覚が生まれます。
まとめると、異国の音楽であっても、音楽の普遍的な力や感情的な共鳴、脳の自然な反応によって懐かしさを感じ、それが心の癒しにつながるという根拠が挙げられます。音楽は、言葉や文化を超え、私たちの感情に寄り添う力を持っているのです。
音楽を聴いて行ったことのない場所が浮かんできたり、過ごしたはずのない夏の休暇の様子が浮かんできたりして、勝手に癒されたこととかありませんか?
(私だけだったら恥ずかしいですが。。笑)この現象にはきちんとしたメカニズムがあったのですね。
Instagramに投稿した、フォーレのシチリアーノという曲は、私にとってまさにその懐かしさの具現化でした。
皆さんは、どう感じるでしょうか。
皆さんも、自分がなんか懐かしいな、と感じる曲を探して、ゆったり癒されてくださいね。
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